2015年10月に実施される宅建士(宅地建物取引士)試験。従来の宅建試験から士業への格上げとなる訳ですが(結構すごいことですね)、士業への格上げに伴い試験の難化を予想されている方も多いようです。
もちろん学習方法としては従来の宅建試験のように、過去問中心とプラスアルファで合格ラインの突破を目指すのがベストです。
もっとも宅建試験の第1回が合格しやすかったように、宅建士試験の第1回も合格しやすくなる(!?)可能性もあります。これはどの試験でも記念すべき第1回は合格しやすい傾向にあるからです。この他にも現在難関資格とされているもので、第1回試験が合格しやすいケースがありました。
しかし中には司法試験予備試験の第1回が難しい試験だったように例外もあります。したがって宅建士試験においても十分な準備をしつつ、「もしかしたら合格しやすいかも…」と一方で考えることで、メンタル的にも優位に試験対策の学習が勧められるのではないでしょうか。
【2016年6月追記】
2015年度の第1回宅建士試験が終了し、難易度を総括します。合格ラインおよび難易度から言えば、ここ数年の宅建試験よりも少し難しい程度という感じです。
したがって難化傾向にある宅建試験ですが、基本的な学習は従来通りであり、「講義を受講したら復習」「過去問演習」「模擬試験で実力確認」「直前講義の受講」など、それぞれのステップにおいて着実に学習を進めることが大切です。
ただ変化点として個人的に注目しているのは、権利関係の難化です。年度により極端に難しい年度があり(私が合格した年度は標準~やや難)、判例を読ませて正解を出す問題など過去問の暗記では対応できません(関連記事:「友次正浩先生の判決文問題の解き方」)。
これにはリンク先の記事でも書きましたが、重要条文の確認・条文の目的を抑えるなど、記憶型学習に加え理解型の学習が求められているように思えました。
このように書くと難しそうですが、要は「なぜ?」という視点を持つことです。疑問点があれば担当講師に質問をするなどして、「思考→疑問→解決」の流れを作るようにされると良いでしょう。そして疑問がその都度解決することで、学習自体が楽しくなります。それが次の学習への意欲アップにつながります。そのようなルーティーンになるように頑張ってください。
また補足となりますが、使用するテキストとしてLEC宅建士講座の「出る順宅建士 合格テキスト」をおすすめします。先ほど指摘したように、権利関係を中心に「理解型」の問題がより多く出題されている傾向があります。これには試験で出題される重要条文を掲載している同書が最適ではないかと思います。実際の条文に触れ、本文の内容を確認することで理解が深まるのではないでしょうか。
学習初期ならば従来の初学者向けの分かりやすいテキストも有りだと思いますが、ある程度学習が進んだらLECの「出る順宅建士 合格テキスト」や住宅新報社の「パー宅ことパーフェクト宅建シリーズのパーフェクト宅建基本書」など本格的なテキストに取り組むのがベストだと考えています。