【司法試験・予備試験】刑事訴訟法のイメージが湧く!ニュースまとめ

司法試験や予備試験で出題される刑事訴訟法。そのメイン分野のひとつが「捜査」です。この捜査では「任意捜査」「逮捕・勾留」「捜索・差押え」など重要箇所がありますが、イメージが湧かない受験生の方も多いでしょう。

また最近では、「取り調べの可視化」「司法取引」「通信傍受法の対象拡大」など新しい論点が生まれています。そこで旧サイト・司法試験講師ブログのバックナンバーから関連したニュース記事をまとめたいと思います。現在では改正・刑事訴訟法の対象となっている箇所もあり、イメージ作りに参考にされると良いでしょう。

取り調べの可視化

取り調べ可視化が拡大へ、被害者や参考人も

[2014年6月19日]
2014年6月18日、最高検は「取調べの録音・録画の実施状況」を公表すると共に、取り調べの録音・録画(可視化)について10月から実施範囲を拡大すると発表しました。

これは大阪地検特捜部・証拠改ざん事件を機に始まった「検察改革3年間の取り組み」を公表したもので、この中で可視化の範囲拡大が盛り込まれました。

「拡大」の具体的な内容ですが、現在は裁判員裁判の対象事件など一部の運用のところ、これを原則として実施します。そして被害者や参考人についても一部で行われる予定です。

【関連リンク】取調べの録音・録画の実施状況(最高検)

取調べの録音・録画の実施状況
▲ 検察における被疑者取調べの録音・録画についての実施状況ページ(画像は最高検察庁ホームページから)

取り調べ可視化、検察が大幅拡大へ 被害者や参考人も
2014年6月19日07時49分

最高検は18日、取り調べの録音・録画(可視化)について、10月から実施範囲を大幅に拡大すると発表した。これまで裁判員裁判の対象事件や特捜部などによる独自事件で試行してきたが、これを原則実施に切り替える。さらに、容疑者を逮捕する事件全般に試行の対象を広げ、供述調書の信用性が裁判で争点になると検察が判断した取り調べを可視化する。被害者や参考人についても一部で試行する。

 2010年の大阪地検特捜部の証拠改ざん事件などを機に、裁判所は検察の捜査に厳しい目を強めており、可視化しなければ調書が証拠として認められないという危機感が、検察が自ら範囲を拡大する背景にある。一方、日本弁護士連合会などは「冤罪(えんざい)防止」の観点から、容疑者を逮捕しないケースを含めた全ての事件での可視化の実施を求めており、今回の範囲拡大でもなお隔たりがある。

引用:朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASG6L5H4XG6LUTIL01S.html
(リンク先の記事は削除されています。)

郵便不正事件で実刑判決を受けた元検事が可視化を求める

[2014年6月1日]
郵便不正事件で証拠改ざんを行い、実刑判決を受けた元大阪地検特捜部検事・前田恒彦さんが公の場に出席。刑事司法の停滞化を批判し、自らの体験から「取り調べの可視化」などを求めました。

【TBSニュース動画】「証拠改ざんで実刑判決、元検事が講演で”検察改革”訴える(2014/5/31)
※動画は削除されました。

起訴前の最長23日間の長期勾留とその間代用監獄という劣悪な環境下に置かれる被疑者。そして密室での取り調べは冤罪を生むリスクが大きく、実際に遠隔操作事件など冤罪を防ぐことができませんでした。今後一日も早い可視化の導入など、冤罪を防ぐためのチェック機能の充実を待ちたい所です。

【動画】周防正行氏(映画監督)が語る「これでは取り調べの可視化が進むわけがない」
冤罪事件を描いた映画「それでもボクはやってない」でメガホンをとった周防正行監督。新時代の刑事司法制度特別部会の委員でもある周防氏が「取り調べの全面可視化」ほか「証拠の全面開示」など主張する。

司法取引

「司法取引」議論が活発化

[2014年6月24日]
欧米では広く活用されている「司法取引」が日本でも導入される見通しになりました。これは平成26年6月23日に開かれた法制審議会(新時代の刑事司法制度特別部会)で議論されたもの。

法務省が示した試案は、「容疑者や被告が他人の犯罪事実を明らかにした場合、検察が起訴を見送ったり、求刑を軽くしたりできる」という内容ですが、自分の刑を減免するために関係のない他人を巻き込む危険(冤罪の発生)があるとの指摘もあります。

なお同日の特別部会では、特捜部や特別刑事部が扱う検察の独自事件で可視化を義務づける修正試案も示されました。

【TBSニュース動画】「法制審、司法取引導入の是非を議論」
※動画は削除されました。

通信傍受法の対象拡大

通信傍受法、適用範囲が拡大へ

[2013年8月5日]
「通信傍受法の適用範囲が拡大へ」。これは2013年8月5日の日経新聞が報じたもの。記事によれば、現行法で認められている4分野(薬物、銃器、集団密航、組織的殺人)から詐欺、窃盗や強盗、誘拐などにも拡大適用されます。これは被害が止まらない振り込め詐欺などの捜査に利用するためです。

なお裁判所の令状に基づく手続きは変わらないものの、「立会人を原則不要」や「傍受場所は通信事業者の施設に限らず、捜査機関の施設でも可能にする」など大きな変更点もあります。

この通信傍受法改正案は、法制審議会での議論を経て、2015年の通常国会への改正案提出を目指す予定です。

犯罪の通信傍受、適用範囲を拡大へ 法務省検討
2013/8/5 2:00日本経済新聞 電子版

 法務省は、犯罪捜査に必要な盗聴を認める通信傍受法の適用範囲を拡大する検討を始めた。深刻な被害が出ている振り込め詐欺などの捜査にも使えるようにし、電話会社など通信事業者による立ち会いをなくす。捜査機関による改ざんなどを防ぐ方策も検討する。法制審議会(法相の諮問機関)の議論の結論を待ち、2015年の通常国会への改正案提出を目指す。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS04018_U3A800C1MM8000/

関連記事

元AKB篠田麻里子さんが東京拘置所に【動画あり】

[2014年10月11日]
刑事被告人や死刑確定者を収容する法務省の施設等機関「拘置所」。そんな拘置所のひとつ東京拘置所(東京都葛飾区)に元AKB48の篠田麻里子さん(28歳)が訪れました。

これは平成26年10月4日(土)に実施された「第3回東京拘置所矯正展」のテープカットのため。このテープカットに際し篠田麻里子さんは「東京拘置所は地域の皆様の理解、ご協力を頂き安心安全に貢献する施設を目指しています」と話されました。また当日は拘置所グルメ「とんかつ弁当(税込350円)」などの見学も。

このほか東京拘置所矯正展では、葛飾区のゆるキャラ「元気くん」や足立区のゆるキャラ「リリー」も登場し、盛り上がりました。

【動画】篠田麻里子さん「第3回東京拘置所矯正展」でテープカット

刑事政策

刑務所で就職面接、再犯率低下へ

[2013年8月23日]
法務省の調査によれば、定職の有無により再犯率に5倍もの差があるようです。これは出所後に定職が見つからないと、収入面など経済的にも不安定で、再び犯罪に手を染めるからです。

そこで新たな試みとして、受刑者が刑期を終えないうちに刑務所内で就職面接を行うことになりました。これにより出所後すぐに定職に就くことができ、経済的にも自立が可能です。その結果、罪を犯すリスクも低くなります。

法務省はこのような就職支援を通じて、再犯率の低下につなげていきたいと話しています。

【動画】定職なしで再犯率5倍に、刑務所で就職面接
※動画は削除されました。

お勧めの刑事訴訟法テキスト

短答式対策テキスト

刑事訴訟法は手続法であるため、予備試験の短答式試験では細かい知識(短答プロパー)が問われることがあります。

もちろん過去問題集を片手にテキストや基本書を参照するのもお勧めですが、「網羅性」と「過去の出題傾向を基にした効率化」の2点を考慮すると、LEC東京リーガルマインドの「司法試験 完全整理択一六法」がお勧めです。

徹底した判例と条文の理解のために!大好評の受験用六法「完択」シリーズ。
受験用六法としての活用、また短答式試験で必要な条文・判例・過去問知識の情報を、図表・判例索引などを用い、見易く整理することで、効率的な受験勉強を可能としました。
重要基本論点のポイント解説や全体構造の把握を盛り込み、全体的に大胆なメリハリを付け、効率的な学習ができるように工夫しています。
最新の司法試験ならびに予備試験の出題を反映。法改正を反映し、最新判例の内容を掲載して翌年度の試験に対応できるよう改良しました。

引用:LEC司法試験講座
http://www.lec-jp.com/shihou/book/

また司法試験では、平成27年度より短答式試験は憲法・民法・刑法の3科目に削減されましたが、これにより刑事訴訟法の基礎力に不安がある受験生の方もいらっしゃるでしょう。

そのような司法試験受験生の方には、簡易版の条文逐条書としての利用もお勧めです。ぜひ論文試験対策の学習においても活用されてみてはいかがでしょうか。

お勧めの基本書

一昔前の司法試験向けの基本書と言えば、学問色が強いのが特徴でした。つまり記述の中には司法試験の出題傾向に合わないものもありました。

しかし法科大学院(ロースクール)制度が始まり、試験対策に利用できそうな基本書が数多く出版されています。

そんな基本書の中で刑事訴訟法向けの基本書が「リーガルクエスト・刑事訴訟法」です。制度趣旨が詳細に説明されるなど、刑訴の理解を深めるのにベストの基本書だと思います。また予備校講師の中でもお勧めする方がいるなど、完成度が高い基本書ではないでしょうか。

ここまで刑事訴訟法の理解に役立ちそうなニュースや動画、おすすめテキストや基本書についてまとめてきました。

刑事訴訟法は民事訴訟法と並び、司法試験や予備試験のメインとなる手続法のひとつです。手続法の学習としては条文の繰り返し学習をされている方が多いと思いますが、実際の関連ニュースや動画を活用してイメージを膨らませるのがお勧めです。

他の民法などの実体法と同様に手続法の学習においても、イメージを活用した学習が合格への近道だと思います。
関連記事 【司法試験・予備試験】テキストだけじゃない!ニュースで勉強【お粗末な事件も】

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