行政書士試験に合格して独立開業をされる方も多いはず。司法修習などがある司法試験などと異なり、研修等はあるものの、開業・実務講座を受講すればすぐに独立開業できるのが行政書士の特長です。
行政書士の業務と言えば、各種の許認可申請が思い浮かびますが、最近では行政書士ADRや、行政不服申立てにおける特定行政書士の活躍など、新たなフィールドが広がっています。
行政書士会への登録とは?
もっとも行政書士として活躍するには、行政書士会への登録が必要です。具体的な流れは次の通りです。
- 行政書士事務所を設けようとする都道府県の行政書士会に入会
- 入会した行政書士会を通じて、日本行政書士会連合会(日行連)が備える行政書士名簿への登録をする
業務はどのようにして学ぶ?
行政書士試験に合格後、比較的短期間で独立開業が可能な行政書士ですが、開業にあたって業務をマスターする必要があります。
基本的な業務については書籍でも学習することは可能ですが、効率良くマスターするならば大手スクールによる開業講座の受講がおすすめです。現役の先生による講義もあり、実務に即した内容が学べます。
行政書士会って何?
各都道府県にある行政書士会ですが、東京行政書士会を例にとると、
「行政書士の品位を保持し、その業務の改善進歩を図るため、会員の指導及び連絡並びに日本行政書士連合会が行う行政書士の登録及び行政書士法人の届出に関する事務の一部を行う」(東京都行政書士会会則第3条)ことを目的として活動し、(以下、省略)
東京都行政書士会のご案内 | 東京都行政書士会「頼れる街の法律家」東京都行政書士会のサイト
となっています。つまり行政書士のバックアップを行うイメージです。
行政書士から異業種への進出も
また行政書士の資格を活用して、異業種への進出をする方も少なくありません。その理由として、行政書士は国家資格であり、「箔(はく)」として使えるからです。
行政書士ではなく、弁護士の例ですが、過去には弁護士資格を持ったまま、回転すしチェーンの経営に乗り出した方もいます。その際にも、弁護士資格があることで、取引先が安心したとか。
(画像はイメージです。)
行政書士は通学クラスで20万円~30万円前後(通信講座ならもっと安く費用が抑えられる)で合格が目指せます。しかも資格を取得すれば一生有効。この金額で法律系国家資格が得られるってお得だと思いませんか?
また各スクールではキャンペーンも実施しています。このようなキャンペーンを利用することで、さらに費用を抑えることができるでしょう。
行政書士ADRとおすすめ講座、新しい分野も
行政書士ADRとは?
行政書士の新たな業務として注目を集めるのがADR(裁判外紛争解決手続、Alternative Dispute Resolution)です。これは裁判外で民事上の紛争を解決する方法のひとつとして注目を集めています。
民事上の紛争の場合だと裁判など法的に解決するのがベストですが、費用・時間などハードルが高くなるケースもあります。そこで裁判外で手軽に利用できるのがADRなのです。
このADRの機能として「和解の仲介(あっせん・調停)や仲裁において解決案を提示」する点がありますが、裁判と違い強制力がないのが欠点です。
もっとも行政書士など専門知識が豊富な調停人が間に入ることで、廉価かつ迅速に解決されることが期待できます。
具体的なADRの分野は?
この行政書士のADRですが、自転車事故、外国人の職場環境等、愛護動物、敷金返還等に関する紛争などがあります。
いずれも法律事務として弁護士の方が解決するには、高額ではない分野であり、行政書士ADRによる解決が期待できそうです。
【動画】行政書士ADRセンター東京 裁判外での紛争解決業務スタート
(なお行政書士ADRセンターとして東京の他、北海道、神奈川、京都などがあります。)
実際にはどんな感じ?行政書士ADRセンター東京の模擬調停動画「たま子と魚ハチ」
この行政書士ADRですが、行政書士ADRセンター東京では「外国人」「自転車事故」「ペット」「賃貸住宅」トラブルに関する調停を行っています。
このうちペットトラブルに関する動画が、行政書士ADRセンター東京の模擬調停動画「たま子と魚ハチ」です。これは地域猫をテーマに模擬調停を行っているもので、ADRの具体的なイメージが湧くと思います。
大槻美菜先生も登場
この模擬調停の動画は、行政書士ADRセンター東京の調停人候補者有志(行政書士)が参加していますが、7分35秒頃から登場する調停人役の女性は、LEC中小企業診断士講座で受験指導を行っている大槻美菜先生(東京都行政書士会)です。
【動画】模擬調停動画「たま子と魚ハチ」
ADRおすすめ講座
ここまで見てきた行政書士ADRですが、紛争解決という難しい問題であるため、中途半端な知識では対応できません。
そこでADRについて詳しくマスターしたい方におすすめなのが、LEC東京リーガルマインド行政書士講座の「行政書士開業講座リバイバル(科目別)」です。
行政書士ADRの分野として、紛争事例(ペットに関する紛争、賃貸住宅の敷金返還・原状回復に関する紛争、自転車事故に関する紛争、外国人の職場環境等に関する紛争)等があります。
これに対応すべく、LECのリバイバル講座では「裁判外紛争処理手続き」の科目を用意しています。動画での学習ですから理解しやすいと思います。
行政書士の新しい分野とは?
行政書士の従来の分野と言えば許認可ですが、業際問題に抵触しない新たな分野も次々に生まれています。ここでその業務のひとつである「ペット法務」についてご紹介します。
ペット法務、行政書士の注目業務
行政書士の業務と言えば許認可申請が思い浮かびますが、新たな業務として注目を集めているのが「ペット法務」、つまりペットのトラブルに関する業務です。
ペットのトラブルで多いのが、ペットショップとペットオーナーの間で生じるペットの売買に関するもの。そのほか糞尿による悪臭など近隣トラブル、また噛まれたなどの事故に関するものです。
そしてペットトラブルに関する紛争解決のひとつがADR(Alternative Dispute Resolution、裁判外紛争解決手続)です。裁判と異なり費用が安いのが特長です。
(画像はイメージです。)
また東京都行政書士会では「行政書士ADRセンター東京」を設置して、ペットに関するトラブルについて、話し合いによる解決(調停手続)を図っています。
裁判に比べて費用も安く、また比較的短期間で解決するケースもあります。また非公開で行われるためプライバシーの面でも安心です。今後注目される業務のひとつと言えるでしょう。
ペット法務専門家・伊藤浩行政書士が動画で語る
行政書士の業務と言えば許認可申請が一般的ですが、行政書士には探せば他にも広範な業務範囲があります。その中から他の行政書士が扱っていない業務を開拓して第一人者になれば、ライバルも少なく成功する確率が非常に高くなります。
その新規分野のひとつにペット法務があります。具体的には、ペットショップ経営に必要な「動物取扱業」登録申請などです。このペット法務の先見性にいち早く気づき参入されたのが、行政書士の伊藤浩先生です。また東京都行政書士会による自転車ADR(裁判外紛争解決手続)などでも活躍されています。
今回は伊藤浩先生が広大な業務範囲の中から特定分野の「スペシャリスト」になるために必要なことは何か?実務家として成功の秘訣を具体的に説明します。近い将来開業を目指す受験生の方の知的好奇心を満たすこと間違いなしです。
なお伊藤浩先生はLEC行政書士開業講座の収録講座を担当されています。
(※動画は削除されました。)
新たな分野のおすすめ講座
行政書士の新たな分野として、「ペット法務」のほか、「著作権業務」「知的資産活用経営支援」などがあります。
この新しい分野をマスターしたい方におすすめなのが、LEC行政書士講座の「行政書士開業講座リバイバル(科目別)」です。
LEC開業講座とLEC自慢の開業講座ライブラリが合体したLECおすすめの開業講座です。動画での解説ですから、書籍での学習と比較して効率よくマスターできると思います。
行政書士の民事法務と言うと、他の士業との業際問題がクローズアップされます。しかし今回ご紹介した「ペット法務」など、まだ開拓できそうな分野はたくさんあるように思えます。
今後のビジネスチャンスの拡大に、マスターされてみてはいかがでしょうか。特定行政書士制度もそうですが、今後注目される分野になるかもしれません。
行政書士会の活動まとめ
ここからは行政書士会の活動や、行政書士に関する記事をまとめます。なお行政書士講師ブログの記事を再編集しています。
教えて行政書士さん、成年後見業務など社会貢献活動について
[2015年10月12日]
行政書士の業務と言えば、許認可申請が思い浮かびます。これは市民と行政のパイプ役を行政書士が担っている訳ですが、市民と市民のパイプ役を担うケースもあります。
それが成年後見業務などです。行政書士の社会貢献活動のひとつとして認識もされています。この成年後見業務やADRなどについて詳しく話しているのが2015年7月28日放送分の「教えて行政書士さん」です。
この「教えて行政書士さん」は、毎週火曜日午後6時30分から10分間に亘り、レインボータウンFM(79.2MHz)にて放送中のラジオ番組で、常住豊東京都行政書士会会長を始め、各分野で活躍中の現役の行政書士の先生方が、行政書士の業務や行政書士会のイベント告知をしています。
行政書士試験の合格には関係はありませんが、合格後に行政書士として独立開業を考えている受験生の方には、具体的なイメージが湧くと思います。
【動画】悩んでないでまず相談〜教えて行政書士さん:第12回「ドローンの許可について」
なお動画に登場するのは、元LEC行政書士講座の黒沢怜央先生です。現役の行政書士(特定行政書士、東京都行政書士会中野支部に所属)として活躍されています。
行政書士フェスタ(東京都行政書士会)【動画あり】
[2014年12月04日]
行政書士会による無料イベント「行政書士フェスタ2014」。会により無料相談会や業務案内などを行っていますが、平成26年12月5日(金)に有楽町駅前広場で実施されるのが、東京都行政書士会による「行政書士フェスタ2014」です。
東京都行政書士会では福島復興支援イベントを実施してきましたが、この復興イベントも今回で3回目を迎えます。そこで今回は復興に加え、日本の将来についても考える予定です。
また当日は「福島県採れたて青空市」「フラダンス」「クイズ大会」などお楽しみイベントも実施。クイズ大会ではホテル無料宿泊券など豪華景品を用意、このほか12:20と16:20から先着50人の方に福島県の採れたて新鮮野菜もプレゼントされます。
行政書士フェスタ2014出演者あいさつ(野菜ソムリエ伊藤友子氏)
行政書士記念日は2月22日
[2014年02月20日]
2月22日といえば都はるみさん、イッセー尾形さん、狩野英孝の誕生日として有名ですが(?)、独立開業を考えている行政書士試験受験生ならば忘れてはいけないのが「行政書士記念日」です。
この記念日は、昭和26年2月22日に行政書士法が公布されたことに由来します。平成19年に行政書士記念日が制定されました。
そして毎年2月22日には各都道府県の行政書士会により各種相談会やイベント等が実施されることがあります。興味のある受験生の方は地元の行政書士会のホームページを閲覧してみるのも良いでしょう。
【動画】行政書士試験案内
[2015年09月01日]
平成27年度行政書士試験の申し込みは9月4日(金)までです。初学者で来年度の受験を考えられている方もいらっしゃるかもしれませんが、お試し受験として今年の受験をおすすめします。緊張感が違いますし、その後の学習においても目的意識がはっきりすると思います。
下の動画は東京都行政書士会による行政書士受験案内【動画】です。東京都行政書士会では合格発表後に開業予定の新人の方を対象に登録説明会を行っています。
そして3分20秒頃からは新人行政書士の本田夏帆先生についてです。本田夏帆先生は平成25年度本試験に合格し、平成26年に開業されました。「受験のきっかけ」「行政書士になってみて」「どんな行政書士が求められるか」「受験生へのメッセージ」などについてお話になられています。
現役の行政書士の方の話を聞くことで、合格後に活躍するイメージが湧き、直前期の学習のモチベーションアップにも役立つかもしれません。学習に疲れたら視聴されてみてはいかがでしょうか。
【動画】平成27年度 行政書士試験案内
LEC行政書士講座で、北山孝次先生の講演会を実施
[2014年02月04日]
行政書士の独立開業を目指す方におすすめの講演会がLEC行政書士講座で実施されます。これは2014年2月5日(水)にLEC新宿エルタワー本校で行われる日行連会長・北山孝次先生による「成功する行政書士の条件~行政書士の未来へかける皆さんへ~」です。
行政書士は許認可申請の専門家として有名ですが、社会変化と共に増加している自転車事故や愛護動物(ペット)に関する紛争、敷金返還などに関する紛争に関してADR法に基づく認証紛争解決事業など、今後も業務の拡大が期待できます。
この他にも新分野に進出される実務家の方も多く、このような行政書士の業務と将来性などについて、北山孝次先生がお話になられます。
これから行政書士試験の合格を目指す受験生の方はもちろんのこと、本試験に合格されて独立開業を考えている方にもおすすめの無料講演会です
日行連会長・北山孝次先生、国会議員・片山さつき氏などによる対談動画
片山さつき氏は東京都行政書士会の会員(2012年に行政書士登録)で、行政書士のADR代理権獲得などについて話されています。
行政書士会会長の勝ち残る行政書士とは
[2012年02月14日]
行政書士は独立開業が難しいという声が一部にあります。しかし実際には弁護士に依頼するには高すぎるケースなどやニッチな分野、さらにペット法務など新規分野など、やり方次第では十分に食べていける資格です。
そこで参考になるのが、行政書士会会長である北山孝次先生の特別講演会です。テーマは「勝ち残る行政書士を目指そう」です。
行政書士試験には直接関係はありませんが、将来の夢を明確に描く上で役立つものであり、行政書士試験の勉強のモチベーションアップにつながることでしょう。ぜひ学習の合間などにご覧ください。
※動画は削除されました。
まとめ
ここまで行政書士会の役割と、各行政書士会の活動について見てきました。受験生の方の目標は行政書士試験の合格だと思いますが、合格後の具体的なイメージを掴むことによって、毎日の学習にも力が入ると思います。ぜひ本試験の合格に向けて頑張ってください。