私は行政書士試験に独学で合格できましたが、今振り返ってみると無駄な学習法も多かったように思います。そこで独学で行政書士試験の合格を目指す受験生の方に向けて、効果的な学習法をまとめます。
またネット出願の場合、コンビニ決済での受験料払込みが可能になりました(平成26年度より)
合格には情報戦略が重要、その情報の集め方とは?
ここ数年難化傾向にある行政書士試験に合格するためには、確固たる合格戦略が必要です。学習時間の捻出といった時間管理術をはじめ、合格につながる効率的な勉強法など、細かい戦略なくして短期間での合格はあり得ません。
しかし独学で行政書士試験合格を目指す受験生などに多く見られるのが、基本テキストを読んで過去問題集を解くだけで本試験に臨むと言うもの。これはとても高い確率で不合格になります。それほど甘い試験ではありません。
もちろん大手スクールを利用される受験生の方ならば、スクーリングやガイダンスなどで、学習法や法改正などの各種情報を得る機会はあるでしょう。
問題は独学で行政書士試験の合格を目指す受験生の方の場合です。独学の方は意識して情報を集める必要があります。そのような受験生の方にはTAC出版の「行政書士試験突破法」が参考になるではないでしょうか。これは資格の学校・TAC行政書士課の実力派講師として有名な丸山和秀講師が書いた合格戦略マニュアルです。
また読んですぐ実行できる具体的な合格術が多いのも特長です。独学で行政書士試験合格を目指す受験生の方はぜひ目を通しておきましょう。
「実際の講師によるノウハウを聞きたい!」という受験生の方には、LEC行政書士講座で公開されている動画がおすすめです。
「初級者向け講座」「受験経験者向け講座」「ガイダンス&単科動画」「イベント動画」「学習コンテンツ」など多彩な動画が用意されています。そして指導経験豊富な講師陣が担当しているのもおすすめポイントです。
また本試験で思わぬ落とし穴になりそうな「一般知識」の動画も無料公開中です。
このほか大手スクール行政書士講座の講師陣によるブログ記事を参考にするのもおすすめです。LEC行政書士講座の横溝慎一郎先生や、伊藤塾行政書士講座の平林勉先生、TAC行政書士講座の小池昌三先生のブログ記事など、情報が得にくい独学受験生の方におすすめです。
▲ 行政書士講師ブログ
(LEC、TAC、伊藤塾、資格スクエア、フォーサイト、アガルート行政書士講座などの講師陣ブログの最新記事まとめ)
独学でも合格できる?模試や直前答練だけでもスクールの利用を
行政書士試験対策の講座は多数ありますが、多くの場合多額の費用がかかるのが一般的です。
そこで経済的に苦しい受験生の方は独学を選びます。最近では分かりやすいテキストや問題集が販売されているので、独学でも行政書士試験に合格する受験生の方はいらっしゃいます。
しかし短期間で一発合格できるか?というと話は別です。まず行政書士試験の場合、出題者(試験委員)の専攻・研究分野が出題される傾向があります。これを独学の個人レベルで攻略するのは無理です。したがって頑張ってみたものの不合格に終わる、これが独学の一番多いケースです。
そこで経済的に通学は無理だと言う方は、インプットは独学で、そしてアウトプットや模試、直前講座などは予備校を利用するのが良いでしょう。これならば費用もそれほどかからず、また出題傾向や法改正などの最新の情報も手に入れることが可能です。
またLECなどでは、お得なキャンペーンも実施しています。このようなキャンペーンを利用して費用を抑える方法もあります。
民事訴訟法の知識が必要
行政書士試験の出題科目(法令科目)は、民法・商法会社法・憲法・行政法ですが、これだけではありません。民事訴訟法も少し勉強しなくてはいけません。
その理由は、行政事件訴訟法は民事訴訟法を土台に作られているからです。なので民事訴訟法をある程度理解しておかないと、行政事件訴訟法は表面的な理解しかできない場合があります。
とは言うものの、民事訴訟法は約400条近くあり、そして民事訴訟規則まであります。したがって行政書士試験受験生にとって、じっくり学習する時間はないでしょう。
そこで行政書士試験テキストで民事訴訟法についての概要が記載してある書籍を調べてみました。以下の2冊がおすすめです。
- うかる!行政書士総合テキスト
- 国家試験のためのよくわかる行政法
「うかる!行政書士総合テキスト」は伊藤塾行政書士講座による制作で、「国家試験受験のためのよくわかる行政法」はユーキャンの神余博史講師によって書かれたものです。
このような書籍を利用すると、短時間で民事訴訟法の概要を手軽にインプットすることができます。
短期合格は能力ではなくテクニック(勉強の技術)である
行政書士試験の出題範囲はかなり広く、これが行政書士試験の不合格が多い原因でもあります。しかしその一方、短期間で難関試験の行政書士試験に一発合格を果たす受験生がいるのも、また事実です。
この違いはどこから生まれるのでしょうか。それはズバリ短期合格術を知っているか否か?なのです。確かに生まれながらにして頭のいい受験生は少なからずいて、このような受験生の真似をしてみても無理です。
しかし短期合格術は技術であり、忍者がトレーニングを繰り返して取得するのと同じことです。つまり頭の良し悪しは関係なく、誰でも身につけることが可能なのです。
今まで一生懸命に受験勉強をしてきたが結果に結びつかないと悩んでいる受験生の方、あなたに足りないのは能力ではなく短期合格術という技術ではありませんか?ならば悩む必要など全くありません。トレーニングをすれば誰でも身につけることができるのですから。
さて私が考える短期合格術とは以下の順番の通りです(法律初学者の方を想定しています)。
- 学習漫画の活用
- 基本テキストを理解する
- 過去問題集を解く
- プラスアルファの問題集を解く
- 模擬試験を受ける
大切なことは「効率よく軽めのインプット」を行い、「実戦型の問題演習を十分に積む」ことです。
実際の問題を解くことで出題者の要求するレベルや合格に必要な知識が分かります。つまり「ゴール(合格)から逆算した学習」です。これは行政書士試験に限らず、あらゆる難関資格試験で共通する短期合格術と言えるでしょう。
短期合格には情報の一元化が重要
行政書士試験対策の学習をしていると、とても学ぶべき内容の多さに驚くと思います。しかし合格のためには手際良くまとめて頭の中にインプットしなければなりません。しかも「スムーズに情報を取り出せる形」で知識をストックしておくことが必要です。
そして重要なことは、その多くの学習内容を一か所に集めておくことです。これは問題演習をしていると必ず分からないことが出てきてテキスト等を確認する必要があります。
この際、学習内容があちらこちらにあると、まず探すことで労力を使ってしまい、欲しい情報にたどり着くまでに無駄な時間を使ってしまいます。「分からないことが書いてあったような気がしたけど、テキストにあったのかな、それとも過去問題集の解説にあったのかな?」なんてケースはないでしょうか。
(画像はイメージです。)
これでは行政書士試験の短期合格どころではなく、不合格になってしまう確率が高いと思います。それではどうしたらいいか?それは情報を一か所に集めることです。これを「情報の一元化」と呼びます。
この「情報の一元化」ですが具体的には、中核となる書籍(例えば基本テキスト)を1冊決めておき、それにすべての情報を書き込むことです。すると確認したいときには、この書籍だけを開けばいいことになり、時間と労力の節約につながります。結果的に内容の濃い学習が可能になり、行政書士試験の合格につながるわけです。
もっともお忙しい受験生の方の中には、1冊を決めて情報をまとめる時間さえもったいない方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような方にはLEC東京リーガルマインド行政書士講座の「出る順行政書士 重要事項総まとめ」がおすすめです。
この「出る順行政書士 重要事項総まとめ」では、難化する行政書士試験の合格を目指す上で押さえておきたい重要事項を1冊にまとめました。したがって普段の学習で「問題を解いて本書を確認する」、「模擬試験を受けて本書を弱点をフォローする」、「直前期に知識に穴がないか最終点検をする」、など学習時期や場面において、さまざまな使い方が可能です。
また1ページ単位で重要事項がコンパクトにまとめられているため、通勤時間や家事の合間など、すきま時間でも効果的に知識の定着が可能だと思います。もちろん家庭学習でじっくり学ぶ際にも使用できます。
このように「出る順行政書士 重要事項総まとめ」は行政書士試験の短期合格を目指す方や、知識の総点検をしたい受験生の方におすすめの要点集となっています。「出る順行政書士 重要事項総まとめ」の詳細はこちら(LEC東京リーガルマインド行政書士講座)
短期合格には「小目標を」設定せよ
行政書士試験は法律資格の登竜門と呼ばれ、司法試験や司法書士試験など法律資格の中では比較的かんたんな試験とされています。しかし実際に学習を始めてみると分かるのですが、とにかく学習すべき範囲が多いことに驚かされます。
はじめて行政書士試験に挑戦する受験生の方の中には、あまりの学習量の多さに自信をなくしてしまい学習が進まず、結果的に行政書士試験の短期合格どころか不合格になってしまうケースがあります。
確かに自信を失うことは仕方のないことですが、少しでも早く立ち直り、行政書士試験の学習に取り組む必要があります。
そのためには自信をつけることです。具体的には、狭い範囲の問題を繰り返し解いて成功体験を重ねて自信をつけましょう。
本試験の合格が大目標に対して、細かいテーマを設定し(小目標)、この目標の達成により自信をつけ、次へのステップへのモチベーションアップに役立てるのです。
行政不服審査法から攻めてみよう
そして小目標のおすすめの学習範囲があります。それは行政法の「行政不服審査法」です。行政不服審査法の分野では判例知識は出題されず、条文知識を中心に出題されます。したがって初心者の受験生の方でも短期間でマスターすることが可能です。
そして行政不服審査法を征服したら、同じくマスターすべき判例知識が少ない行政手続法に進みます。そしていよいよ判例知識が問われる行政事件訴訟法に進みましょう。
このように狭い範囲で自信をつけて少しずつ学習範囲を広げていく、これが行政書士試験に短期合格を果たす重要ポイントになります。自信を失って悩み続けても合格に必要な学力は決してつきません。そもそもあなたは学力がない訳ではないのです。正しい学習のやり方を知らなかっただけです。
さあ今日からまた行政書士試験の合格をめざして学習を再開しましょう。努力は決して裏切りません。頑張りましょう。
「忘れない工夫」と「繰り返し学習」
行政書士の学習は進んでいますか?少ない時間で大きな成果を上げるためには、「忘れない工夫」と「繰り返し学習」 がポイントとなります。
忘れない工夫とは?
学習するときは具体的なイメージを持つようにしましょう。どのような場面の話なのか?自分が当事者なら、どのような手段をとるか?などです。
また、制度の目的・趣旨を押さえることも効果的です。理解がそれだけ深まります。テキストの中には目的・趣旨が書いていない場合もありますが、そのような時は自分なりにとことん考えましょう。
答えが見つからなくても良いのです。考える姿勢が重要なのです。考え続けることによって理解が深まります(「アンカリング」と呼ばれるもので知識に定着につながる)。
繰り返し学習の方法?
テキストや問題集、条文を徹底的に繰り返しましょう。思い出そうではなく、自然と口から解答が出る、これくらいまで繰り返してください。理解も深まるし、それ以上に自信がつきます。
直前期の受験生の方は焦り出すころではないでしょうか。しかし残り時間は十分にあります。表面的な学習ではなく、試験場でも応用が効くような学習を心がけてください。難化傾向にある行政書士試験においては、それが一番の近道だと思います。
そして頑張る際にも、今回の記事で挙げたように「忘れない工夫」と「繰り返す」が大切です。また教材選びにも注意しましょう。たとえばLEC行政書士講座の「出る順行政書士シリーズ」など、近年の出題傾向に沿ったテキストや過去問題集を使うことをおすすめします。ベストな教材と効果的な学習で、ぜひ行政書士試験の合格を勝ち取ってください。
「学習計画表」は反省材料に使う
行政書士試験受験生のみなさん、毎日の学習ご苦労様です。さて、学習計画表はフル活用していますか?行き当たりばったりの学習は好ましくなく、行政書士試験の短期合格には学習計画表は必須の道具です。
しかし中には忙しくて計画通り行かず嫌になってしまう場合や、そもそも「計画を立てる習慣がない、計画の立て方が分からない」という方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は学習計画表のもう一つの活用方法を提示します。それはその日に学習した内容を学習計画表に記録しておく、という方法です。
本来、学習計画表は学習予定を立てるための事前的なものですが、この方法は事後的な使い方と言え本来の趣旨に反するように思われます。
しかし、この方法(=その日に学習した内容を記録しておく)は意外と効果があります。毎日の学習内容を記録しておき、1週間後、2週間後などに見直します。すると学習分野に偏りがある場合、すぐに発見でき、修正が可能となります。まさに反省材料として学習計画表を利用するのです。
これと似た方法が岡田斗司夫さんの「いつまでもデブと思うなよ」です。これは毎日の食事の内容を記録しておくだけという単純な方法により、体重を117kgから67kgへと50kg減量、体脂肪率を42%から17%へと落とした、というものです。レコーディング・ダイエットと呼ばれ、自分が摂取しているカロリー、食事の内容、間食などを自覚し、ダイエットにつなげるというものです。
このレコーディング・ダイエットの手法を、毎日の行政書士試験の学習に応用させよう、というのが今回の提言です。計画倒れで自己嫌悪になってしまう受験生の方でも、この方法ならば続けられるはずです。ぜひもう一つの学習計画表の使い方で行政書士試験の短期合格を目指しましょう。
独学受験生は情報不足に注意
行政書士試験に限らず、資格試験では正しい情報が必要です。毎年情報不足で不合格になってしまう受験生の方が多くいらっしゃいます。
特に行政書士試験の場合は、出題者(試験委員と言う)の研究テーマや論文などに関連した出題がされることがあります。
そこで出題傾向を探る上でも正しい情報が必要です。資格学校に通っている受験生の方なら、この情報を得ることが可能ですが、独学の方は注意が必要です。
独学の受験生の方はネットで情報を収集する、資格学校の短期講座を利用するなどして情報を集めるようにしてください。
そしてネット上には情報収集に役立つサイトがありますが、おすすめなのが行政書士講師ブログです。LEC東京リーガルマインド行政書士講座の横溝慎一郎先生や、伊藤塾行政書士講座の志水晋介先生、TAC行政書士講座の小池昌三先生らの新着ブログ記事が参照できます。情報収集サイトとして役立つでしょう。
また大手試験対策スクールでは無料で出題予想イベントが実施されることがあります。その代表的なものが、TAC行政書士講座の「無敵の行政書士予想大会」です。これは行政書士試験の直前期にあたる秋の時期に無料で実施されるものです。
約2時間に亘り、「過去の出題分析」「予想論点の公開」「本試験までの理想的な学習スケジュール」などについて、TAC講師陣が詳細に解説を行うものです。この無料イベントはTACでライブ講義で実施されますが、後日、TAC出版サイトで無料公開されます。遠方にお住いの受験生の方はこちらの動画配信を利用されると良いでしょう。TAC無敵の行政書士予想大会の詳細はこちら
テキスト問題集は切り離す
行政書士試験のみならず、資格試験に短期間での合格を果たす方法として「テキストや問題集を切り離す」というものがあります。その理由は次の2点になります。
→ 達成感で更にやる気アップ!
2、持ち運びに便利
→ すきま時間の学習が可能!
このような学習効果が得られます。
受験生の方の中には書籍を切り離すことに抵抗があるかも知れませんが、書籍という概念は捨て、短期合格に役立つ学習ツールと考えることで抵抗感も少なくなるでしょう。
ここで補足をしておきます。試験対策の書籍の多くは糊付けで作られているため、背表紙部分をドライアーで温めるときれいに切り離すことができます。
そして分冊化したものは、市販の製本テープを使うとバラバラにもならず、高級感も出てきます。製本テープはアマゾンにもありますが、100円ショップでも販売されています。
このテキスト・問題集の分冊化、さらに進化した方法が横溝慎一郎先生の記事です。以下、引用します。
1冊丸ごと持ち歩こうとするから大変なのです。六法の中で試験に必要な箇所のみ切り離して持ち歩けばよいでしょう。このあたりは過去問題集も同じです。必要な箇所だけ切り離す。これは忙しい方におすすめの方法ですよ。
(「よくある質問~六法の使い方を知りたい」から引用)
横溝慎一郎先生は、必要な部分だけを切り離すことを推奨しています。これでより目的意識もはっきりし、高い学習効果が得られることでしょう。
【まとめ】工夫次第で独学での合格は目指せる!
ここまで独学で行政書士試験の合格を目指す受験生の方に向けて、効果的な学習法をまとめてきました。
自分の経験を振り返ってみると、当時の行政書士試験も難しく、「運」にも助けられた面が大きいと思います。したがって、もし経済的に苦しくても、合格後に回収する具合の意気込みでスクールを利用するのがおすすめです。
「餅は餅屋」というように、やはり大手スクールには「合格戦略」と「膨大な蓄積データ」があります。独学は極めて非効率だと思います。