行政書士も新たなフィールドへ!特定行政書士制度が誕生しました。そこで特定行政書士の詳細、試験(考査)、おすすめの対策講座等まとめます。
特定行政書士とは?
行政書士と言えば許認可や民事法務の専門家ですが、行政書士の業務が拡大されます。それが平成26年6月に可決成立し同月に公布された「行政書士法の一部を改正する法律案」です。
具体的には行政不服申立ての代理権(注)が、一定の研修課程を修了した行政書士(特定行政書士)に付与されるものです。これにより申請のみならず不服申立てまで一貫して取り組むことができるため、利便性の向上につながります。
(注)行政不服申立て代理業務として、次のようなケースが考えられます。
- 農地転用の不許可
- 建設業の不許可
- 産業廃棄物処理施設設置に不許可
- 難民不認定
▲ 「特定行政書士になろう」。日本行政書士会による特定行政書士の説明ページ。具体的な代理業務についての説明、研修内容・考査や特定行政書士ができることなど。
参考ページ「特定行政書士が誕生しました | 日本行政書士会連合会」
また新たな業務として注目を集める行政書士ADRと合わせて、特定行政書士制度はビジネスチャンス拡大につながる可能性があります。
改正行政書士法が成立=不服審査の代理権付与
国や地方自治体の行政処分に対する不服申し立て手続きの代理業務を行政書士も請け負えるようにする改正行政書士法(議員立法)が、20日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。現在、不服申し立ての代理業務を行う権限は弁護士や司法書士などに限られ、行政書士には認められていない。改正法では、専門知識を学ぶ研修を受けることなどを条件に、行政書士にも代理権を付与する。(2014/06/20-19:52)
引用時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201406/2014062000905
(リンク先の記事は削除されています。)
【動画】特定行政書士とは?クレアール竹原健先生が解説
行政書士会の悲願でもあった「行政不服審査の代理権付与」。これにより依頼者に代わって不服審査で争えるようになったのです。
つまり従来の行政書士業務に加え、新たな活躍の場ができた訳です。まさに「行政手続の専門家」とも言えるでしょう(なお特定行政書士になるためには、行政書士の資格に加えて「法定研修の受講」等などが必要です)。
そんな特定行政書士の制度と将来性について、クレアール行政書士講座の竹原健先生が約7分弱に亘り、動画で解説しています。もちろん受験生の方は合格が先ですが、今から合格後のビジョンを考えておくことで、今後の試験対策の学習も効果的になるかもしれません。
【動画】特定行政書士制度と行政書士の将来性
第1回試験(考査)が実施、難易度は?
記念すべき第1回特定行政書士試験(考査)が、2015年10月4日(日)に実施されました。
この特定行政書士考査ですが、行政法総論・行政手続法・行政不服審査法など行政法からの出題が30問中20問あります。したがって行政書士試験の合格を目指す受験生の方ならば、学習内容がそのまま役立つかもしれません。
もっとも今後は難易度が上がっていくかもしれません。考査に対応した講座(後述をご参照ください)を利用して十分な対策を採っておくことがおすすめです。
参考記事 第1回特定行政書士試験(考査)が実施される、難易度は?|速報試験ニュース
特定行政書士考査を受験された方のツイッターから
特定行政書士の試験終わった。やっと解放される。久々の試験で疲れた。 pic.twitter.com/PfJjsOzNQy
— 平島秀剛 (@shimauo) 2015, 10月 4
おすすめの試験対策講座
TAC行政書士講座で開講されているのが、「特定行政書士 考査対策講座」です。全5回で出題範囲を学習します。
全5回の内容ですが、第1回から第3回までは「行政法総論・行政手続法」「行政不服審査法」「行政事件訴訟法」と言った行政書士試験でお馴染みの科目が並びます。
そして第4回は「要件事実・事実認定」、第5回が「倫理・総まとめ」です。要件事実など初めて学習される方も多いと思います。書籍での学習も可能ですが、限られた時間で効率良くマスターするならば対策講座の受講がおすすめです。
TACの対策講座は教室講座のほか、DVD通信・Web通信(オンライン)講座も用意。自宅での学習も可能です。
【TAC行政書士】特定行政書士 考査対策講座 400秒CM
平成26年12月27日施行の改正行政書士法により、日本行政書士会連合会が実施する「法定研修(講義・考査)」を修了した行政書士は、「特定行政書士」として行政不服申立てに係る手続きの代理が行えることになりました。この研修を修了するには、所定の「講義(全18時間)」を受講する以外にも、その理解度を測るための「考査(択一式:全30問)」において基準(合格基準点:約6割)に達する必要があります。
そこで、TAC行政書士講座では、考査の出題ポイントを絞って効率的に学習できるカリキュラムをご用意しました!講義を担当するのは、平成27年度に実施した法定研修を修了し、特定行政書士となられた木本講師です。本講座を有効に活用して、平成28年10月23日に実施される「考査」の合格を勝ち取ってください!引用TAC行政書士講座
まとめ
ここまで特定行政書士の制度、出題科目などの試験概要、動画解説、そして試験(考査)対策講座などについてまとめてきました。
過去に実施された特定行政書士考査の試験内容を見てみると、体系的理解が必要な出題もあったようです。したがって問題の丸暗記等テクニックに走ることなく、試験対策講座などで理解を中心とした学習がおすすめです。
特に要件事実、事実認定は本来ならば法科大学院等で時間を掛けて学習する内容です。限られた時間で習得を目指すならば、講座を利用するのが得策だと思います。