【行政書士試験】民法の記事総まとめ、行政書士講師ブログから

行政書士講師ブログの民法に関するバックナンバーの記事からまとめたいと思います。なお行政法と憲法に関する記事は別途ご参照ください。

相続・遺言

民法の相続・遺言に関する記事のまとめです。民法の中心は財産法ですが、行政書士の民事法務では相続・遺言(公正証書遺言)に関する業務が多いように思えます。

検認とは何ぞや?

[2015年02月05日]
普通方式の遺言として、自筆・公正証書・秘密の3種類がありますが、費用も掛からず手軽に利用できるのが自筆証書遺言によるものです。

もっとも自筆遺言証書の場合、発見後に裁判所へ届け出て「検認」の手続きを受ける必要があります(民法1004条1項)。検認とは保全手続きのようなものであり、その後の紛失や偽造を予防します。
参考記事 検認を家庭裁判所でやってきました【必要な戸籍謄本・費用・時間・原本還付】

この検認、申立てから約1か月後に期日が設定されます。そして検認後に検認調書の作成と証明書が発行され、金融機関での払い戻しが可能になります(口座が凍結されている場合)。

逆に言うと(遺言書による払い戻しケースならば)検認期日まで預貯金を下すことはできません。そこで活用したいのが死亡保険金です。受取人に相続人を指定しておくことで、比較的短期間で換金が可能です。また死亡保険金には「法定相続人の数×500万円」の控除枠があり、相続税対策としてもメリットがあります(契約者=被保険者の場合)。

このような知識はファイナンシャルプランナーの学習で手軽にマスターが可能です。法律知識のみならず、経済面からもアプローチをすることで、お客様の信頼度も増すでしょう。

なお有償・無償問わず、個別具体的な税務相談はできません。税理士法に抵触しますので注意が必要です。

パソコンの女性

遺言書の作成が増加

[2015年03月01日]
遺言書には自筆証書遺言や秘密証書遺言などがありますが、費用は掛かるものの安全・安心なのが「公正証書遺言」です。

公正証書遺言は公証役場で原本が保管されるため、紛失・破棄・改ざんなどの心配がありません。何より一番のお勧めポイントが相続開始後、速やかに遺言の内容を実現できる点です(自筆証書遺言の場合だと、検認に1か月前後かかる)。

したがって相続を業務とする行政書士の方でも、公正証書遺言の作成をお勧めする方が多くなっています(自筆証書遺言の作成サポートより報酬も多くなる)。高齢化も相まって、業務の増大が見込める分野です。

また平成27年1月の相続税改正もあり、遺言の作成に興味のある方が増えています。そこで公証人役場では無料電話相談を開催しているところもあります。

自筆証書遺言と特定の日付

【問題】 次の肢は正しいか否か。
日付を「昭和60年3月吉日」と記載した自筆遺言書も有効である。(司法書士)

× 間違い。
【ルール】 自筆証書遺言に記載される日付は、暦上の特定の日を表示するものといえるように記載される必要がある(最判昭54.5.31)。

→ 確かにそうですね。死亡した日がはっきりしないと利害関係に関わってくることもあるでしょう。そうであるならば特定する必要があるでしょうし、この肢のように日付が特定されない場合は無効となります。

判例(最判昭54.5.31)

自筆証書によつて遺言をするには、遺言者は、全文・日附・氏名を自書して押印しなければならないのであるが(民法九六八条一項)、右日附は、暦上の特定の日を表示するものといえるように記載されるべきものであるから、証書の日附として単に「昭和四拾壱年七月吉日」と記載されているにとどまる場合は、暦上の特定の日を表示するものとはいえず、そのような自筆証書遺言は、証書上日附の記載を欠くものとして無効であると解するのが相当である。

参考条文、民法

(自筆証書遺言)
【第968条】 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
(以下、省略)

遺言能力、民法

[2011年02月07日]
【問題】 次の肢は正しいか否か。
14歳の者がした遺言は、その者に意思能力があり、法定の方式を具備している限り、有効である(司法書士)。

× 間違い。
【ルール】 十五歳に達した者は、遺言をすることができる(民法961条)。民法においては、遺言をするには意思能力があれば十分としており、その意思能力の立証の問題を回避すべく画一的に処理するために、十五歳をもって線引きしています。

したがって、15歳未満の14歳の者がした遺言は無効となります。

参考条文、民法

【961条】 十五歳に達した者は、遺言をすることができる。

辰巳法律研究所による動画解説(相続・遺言)

[2014年10月19日]
行政書士試験において民法・財産法分野に比べて重要度が低い家族法。しかし本格的な高齢化社会を迎えて、家族法とくに相続・遺言分野の重要性は増大することは間違いありません。

したがって行政書士の業務として相続分野を行う方も少なくありません(弁護士や司法書士など業際問題には注意)。具体的には遺産分割協議書の作成などがあります。

そこで受験生の方にお勧めの動画が、辰巳法律研究所による動画解説です。これは司法書士試験向けの無料動画ですが、遺言の基礎を学ぶには最適な内容です。遺言の形式、遺言能力、遺贈、遺留分など試験対策でも役立つ動画と言えるでしょう。

※ 遺言の読み方は「いごん」。もっとも依頼人の方に分かりやすくするため、士業の方でも敢えて「ゆいごん」と読むケースがあります。

【動画】辰巳法律研究所「1年合格総合コースWeb無料講義第3回」(海老澤毅先生)

【動画】民法改正、非嫡出子の相続差別を撤廃

[2013年12月05日]
2013年9月の最高裁の違憲判断を踏まえ、近く民法が改正されます。

これは非嫡出子(=婚外子)の遺産相続分が嫡出子(=法律上の夫婦の子)の半分となっている規定を削除し、平等にするもの。条文でいうと民法900条4項但書の部分です。

なお今回の法改正は、最高裁判所の違憲判断が出た翌日の2013年9月5日以降の相続に適用されます。法定相続分については試験対策の面からも確認しておいてください。

またベリース行政書士講座の葛原久美先生による法改正の解説動画が公開されています。こちらも併せてご覧ください。

動画ニュース「婚外子の相続差別を撤廃 改正民法が参院で成立(13/12/05)」

【動画解説】債務引受

[2014年11月20日]
平成26年度行政書士試験の民法は、かなり難易度が上がりました。過去問の学習で対応できる問題も少ないのが特徴。そんな中でも評判が悪いのが「債務引受」です。

「債権譲渡は知っているが、債務引受なんて知らないよ」、独学で合格を目指す受験生の中にはこんな声もあるでしょう。市販のテキストでは掲載されていないものもあります。

債務引受の理解を進めたら、元LEC司法書士講座の講師で現在は藤井行政書士予備校の運営者である藤井慎哉先生の動画がお勧めです。レジュメは藤井行政書士予備校サイトで閲覧が可能ですが、理解度に応じて参照してください。

吉井英二先生が動画で解説「危険負担」

[2013年05月22日]
民法債権分野の中でも受験生の方が苦手としているのが、危険負担です。危険負担の具体的なイメージとしては、引渡し前の住宅が隣家の火災により焼失したなどのケースがあります。

この場合、売主・買主のどちらがリスクを負担するのかが「危険負担」です(Wセミナー司法書士講座の山本浩司先生は「ババ抜き」と表現)。

実際の不動産売買では特約が結ばれることがありますが、行政書士試験対策においては、条文に沿った理解が必要です。

そして危険負担を苦手としている受験生の方の特徴として、危険負担における債権者と債務者の区別がついていないケースがあります。まずどちらが債権者で債務者なのか、そして趣旨を理解したうえで、債権者主義となるのか債務者主義となるのかをマスターするようにしましょう。

この危険負担の動画解説は元LEC東京リーガルマインドの実力派講師であった吉井英二先生によるものです。危険負担の趣旨なども説明しており、危険負担の理解も進むでしょう。画面が小さいので、適宜大きな画面でご覧ください。

【動画】必勝倶楽部 吉井英二のスーパー専門記述講座 民法

【法改正】民法(債権関係)の改正に関する中間試案

[2013年03月02日]
大手新聞等で報道されているように、法制審議会から民法(債権関係)の改正に関する中間試案が公表されました。これから検討と修正を加え、最終的な法改正に至ります。

今回の法改正の特徴は、今までの改正とは規模が異なることです。たとえば連帯保証の制度。連帯保証人になって自己破産したケースも少なくありません。そこで連帯保証など債権分野が大きく改正されます。この他にも消滅時効や法定利率の改正など大きく変わります。

この改正が実施されると、民法を最初から学習し直す必要も出てくるでしょう。もちろんテキストや問題集を購入し直す必要もありますし、それ以上に精神的にも厳しいものがあります。また実際の試験では、新しい知識と古い知識が混同して不正解になってしまう、そんなケースも想定されます。

したがって受験生の方は、今年の行政書士試験で必ず合格するという強い姿勢で臨む必要があります。それぐらい今回の法改正は大きなものなのです。
【法務省PDF、民法(債権関係)の改正に関する中間試案】

以下、ヤフーニュースより引用。

契約ルール、120年ぶり全面改正へ 個人保証制度など
朝日新聞デジタル 2月26日(火)19時57分配信

 【西山貴章】経済活動の基本となる契約のルールなどを定めた民法の債権に関する規定(債権法)の改正に向けて、今後の「たたき台」となる中間試案が26日、まとまった。法制審議会(法相の諮問機関)の民法部会が議論してきた。全面改正は1896(明治29)年の制定以来。複雑化した現代社会に対応し、消費者保護を重視した規定も明文化する。

 大きく変わりそうなのは、個人保証の制度だ。連帯保証人を引き受けた人が多額の借金を背負い、破産や自殺に追い込まれるケースが後を絶たないことから、中小企業などへの融資では経営者以外の個人保証を禁じる規定を検討する。

 企業が不特定多数の客と取引する際、詳細な契約条件を一方的に決めて同意を求める「約款」のルール新設も盛り込んだ。インターネット取引などで広く使われるようになった半面、消費者がよく読まずに契約しトラブルになるケースも多い。このため、法的な効力や限界を明確にし、不当な内容は無効とする方向だ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130226-00000048-asahi-soci
(リンク先の記事は削除されています。)

民法は並行してアウトプット法

[2012年05月16日]
行政書士試験の合格を目指す上で重要な科目が民法です。配点の高い40字記述式など、ぜひ得意科目にしておきたいものです。

その民法を学習する際に気をつけたいことは、「インプットとアウトプットを並行して行う」という点です。民法は条文数も多く学習量も多いため、専業受験生の方でも全体を学習するのに1カ月は要します。

したがって、最後までたどり着いた頃には最初に学習した内容をきれいさっぱり忘れていた、という事が少なくありません。これでは短期間での合格は見込めません。

そこで民法を学習する際には、特にインプットとアウトプットを並行して行うのがベストです。これならば学習した内容を忘れることもなく、効果的に学習を進めることができます。そしてアウトプットに使う教材ですが、やはり本試験の過去問が最適です。解答に必要な知識のレベルや出題形式を意識することができ、インプットにも力が入ります。

もっとも、いきなり過去問に手を出すのは怖い、このように感じる受験生の方も多いでしょう。そんな時は市販の問題集、また一問一答形式の問題集や秒速ドリルのような【○×式】の問題演習が最適です。アウトプットを並行して取り組むことが大切なので、このような手軽な方法でも効果が期待できます。ぜひ頑張って下さい。

まとめ

ここまで行政書士試験の民法に関する記事についてまとめてきました。民法は行政法と並び行政書士試験のメイン科目です。したがって合格を目指すならば十分な対応が必要です。

もっとも民法の過去問は多くなく、過去問学習が満足にできないかもしれません。これには元資格の大原の林裕太先生による民法の問題集がお勧めです。

司法試験や公務員試験など他の資格試験から、現在の行政書士試験の出題レベルに合った問題を厳選して問題集にしています。受験生の方にお勧めの問題集と言えるでしょう。

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