野口貴公美先生(行政法)は行政書士試験の試験委員
行政書士試験には問題制作にあたる出題委員がいます。科目別に複数おり、その先生の研究分野が試験のテーマになることがあります。
そんな試験委員のひとりが野口貴公美先生(行政法)です。
野口貴公美先生と「超勉強法」
野口貴公美先生先生は一橋大学を卒業後、中央大学法学部教授などを経て、現在は一橋大学大学院教授を務められています。
そして野口貴公美先生の父親と言えば、「超勉強法」でお馴染みの野口悠紀雄先生(元東京大学教授)です。
「超勉強法」のパラシュート法が凄い
行政書士試験に限らず資格試験に短期間での合格を目指すためには、最初に全体像を押さえて、今勉強しているのはどの位置にあるのか?をつかむことが重要です。
これは多くの資格試験の勉強法の本に載っている方法で、例えば伊藤塾代表の伊藤真先生はこの方法を「目次を活用せよ」と著書で表現しています。
そしてこの方法を応用しているのが、早稲田大学教授の野口悠紀雄先生の超勉強法です。それはパラシュート法と呼ばれるもので、従来の積み上げ式の学習ではなく、空(全体像)からパラシュートで降りるように単元ごとにポンポイントで学習する方法です。
学問は一般的に難解であり、体系的な理解を得るまでに多くの時間と労力が必要です。そこで多くの受験生は挫折してしまう。なのでパラシュートで着地するようにピンポイントで学習することを勧めています。
【行政書士試験】受験生が出題委員の研究分野を調べて、対策を採るのは無駄
行政書士試験は他の資格試験とは異なり、試験委員の先生方の研究分野・専攻分野から出題されることがあります。したがって試験委員の研究内容を知っており、かつ出題予想が正確にできるならば、試験でも有利になるかもしれません。
ごく稀なケースですが、受験生の中には試験委員の研究分野を分析して出題予想をする方がいます。これは受験生レベルでするべきではなく、行政書士講座の講師の方に丸投げするのがベストの選択です。またそのために講師の方が存在すると言っていいでしょう。
弁護士で岡山大学大学院法務研究科教授の井藤公量先生(元辰巳法律研究所の司法試験講座の講師)も著書の中で次のように書いていらっしゃいます。
人によっては、出題予測のために自分で学者の論文・学会の動向などを研究している人がいる。まったくのアホウである。無駄なことである。受験生は、これらを追求する暇があったら、もっと試験に必要な実力を磨かなければならない。こんなことをしていては、合格が遅れるだけだ。
(「試験に受かる超効率勉強法」120頁より引用)
専業の方ならともかく、学習時間に制約がある受験生の方が一般的です。したがって優先順位の高いものから学習すべきです。そして試験委員の出題分析は優先度が低い部類に入ります。貴重な時間を無駄にしないようにしましょう。
試験委員の研究分野を調べて、出題予想を行うのは講師に任せる
行政書士試験に限らず国家試験の勉強法は、過去問から出題傾向をつかみ、頻出分野を重点的に学習するのが一般的です。
しかし行政書士試験の場合、平成18年度を境に難易度がかなり異なっており、過去問としての役割を果たしていません。これは特に配点の高い民法において顕著な傾向であり、学習分野が広い割に過去問の数も少なく、出題傾向がつかみにくくなっています。
もちろん試験委員の研究分野から出題傾向を把握することも可能ですが、基本書の価格も高く、手間を考えると現実的ではありません。
行政書士試験対策としては、公務員試験向けの過去問などで基礎知識をマスターし、出題傾向に関してはプロの講師に委ねるのが、時間・費用の面からも得策と言えるでしょう。
野口貴公美先生の判例集「行政法判例50!」の評判(評価)は?
そんな行政書士試験の試験委員である野口貴公美先生ですが、行政法の判例集を執筆されています。それが「行政法判例50!」です。
法律学習者の判例集と言えば「判例百選」ですが、収録している判例数が100以上、「事案の概要」「判旨」「解説」とボリュームが大きいことから、挫折する受験生の方も少なくありません。
その点、「行政法判例50!」は書籍のタイトルにあるように50の重要判例に絞っています。もちろん判例百選と比較すれば収録数は少ないですが、初学者を意識したような分かりやすい内容は、第一歩としておすすめです。
なお行政法の重要判例については、4コマ漫画で分かりやすく紹介している「法律入門 判例まんが本 行政法の裁判100(辰巳法律研究所)」があります。詳しくは下の記事をご参照ください。
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まとめ
ここまで行政書士試験の試験委員である野口貴公美先生と、野口貴公美先生の著書「行政法判例50!」についてまとめてきました。
試験委員の名簿一覧は、行政書士試験を実施する行政書士試験センターのホームページに掲載されていますが、受験生の方は「講義をしっかりと消化する」「過去問題集のマスター」を中心に学習を進めるようにしましょう。