知的財産分野の中の法律分野に特化した資格試験であるIPLawTest(知的財産法学試験)。その第1回試験が、平成29年8月6日(日)に実施されました。大手スクールのなかには試験日当日に解答速報を公開します。
解答速報
弁理士講座でお馴染みのLEC東京リーガルマインドでは、第1回知的財産法学試験が実施された2017年8月6日(日)に解答速報を公開します。
解答速報の公開スケジュール
・LEC弁理士講座の納冨美和先生による解答解説(解説動画) 2017年8月6日(日)19:00以降を予定。
・予想解答 2017年8月7日(月)12:00(予定)
▲ LEC講師による動画解説も(画像はLEC知的財産法学試験、解答速報ページから)
IPLawTest(知的財産法学試験)とは?
知的財産分野に関する資格試験については、弁理士試験(国家資格)、知的財産管理技能士(国家資格)などがありますが、法律分野に特化した資格が、今回の「知的財産法学試験(IPLawTest)」です。「試験でハイスコアをとるために」ほか、試験の詳細はこちら
(画像はイメージです。)
従来の資格試験と異なり、以下のような特徴があります。
- 合格ラインを超えれば合格ではなく(不合格はない)、ランクとスコアで評価される
- 「総合テスト」と「6分野(領域)からなる法領域別テスト」で構成されている
特に「法領域別テスト」は、「特許法・実用新案法」「意匠法」「商標法」「条約」「著作権法」「不正競争防止法」と細かく分野が分かれています。
出題範囲から見る弁理士試験との親和性
この「法領域別テスト」の6領域を見て分かることは、弁理士試験の短答式試験と親和性が高い(近い)という点です。
したがって「知的財産法学試験から弁理士試験にステップアップを目指す」、反対に「弁理士試験受験者が実力確認に受験してみる」などの利用方法があるでしょう。
効果的な学習方法は?サンプル問題で見る出題形式
ここまで見てきたようにIPLawTest(知的財産法学試験)対策としては、弁理士試験・短答式問題の演習がおすすめです。実際に2018年9月現在、知的財産法学試験向けの問題集は発売されていません。この点からも弁理士・短答式試験がおすすめ。
また知的財産法学試験の出題形式は、サンプル問題を見るとマークシート方式(五肢択一式、五肢複数選択式)となっています。択一式や個数問題で構成される弁理士試験・短答式試験とは、この点でも似ています。
この知的財産法学試験は歴史が浅いため、試験対策の情報が少ないように思われます。したがってLEC弁理士サイトなどを参考にしてみてはいかがでしょうか。
試験の詳細はこちら
弁理士講師ブログも参考に
今回のIPLawTest(知的財産法学試験)ですが、今後各スクールで情報が発表されるかもしれません。同時に参考にしたいのが「弁理士講師ブログ」です。
LEC弁理士講座を始め、TAC弁理士講座などの講師ブログ、資格スクエアやアガルートなどの情報も分かります。ぜひ参考にしてください。
▲ 弁理士講師ブログ
(LEC講師のほか、TAC弁理士講座、資格スクエアなどの方の記事も掲載。)
サンプル問題から見る難易度
ここで実際にサンプル問題を見てみましょう。IPLawTest(知的財産法学試験)を実施する一般財団法人知的財産研究教育財団が発表したものですから、今後の知的財産法学試験の難易度もサンプル問題を基準に出題されると思われます。
五肢複数選択式のサンプル問題
問題1【商標1】(2017年6月掲載)商標法に規定された商標登録の要件等に関し、次の1~5の中には誤っているものが1つ以上ある。それをすべて選べ。1つもマークがない場合は誤答として扱う。
ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。1 見る角度により表示される標章が変わるホログラム商標は、一商標一出願の原則に反するので商標登録を受けることができない。
2 商品が通常発する音は、商標法第3条第1項第3号に規定される商品の「その他の特徴」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当する。
3 商標登録出願に係る商標が、「商品の産地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当するというためには、当該出願の指定商品が当該商標の表示する土地において現実に生産されていることを要する。
4 商標登録出願の審査において当該商標が、「商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」の「普通名称」に該当するかどうかは、査定時ではなく、出願時をその判断の基準時として決められるべきものである。
5 商標登録出願に係る商標が、「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標」である場合であっても、「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができる商標である」と認められるためには、一地域において識別力があるだけでは足りない。
(正解)
1・3・4https://iplt.ip-edu.org/testsample/
これは複数の正解を選ぶ「五肢複数選択式」のサンプル問題です。全問正解で得点が与えられるのか、あるいは部分点があるのか不明ですが、弁理士短答式試験の個数問題と同様に、相対的に難易度が上がり正答率は低いと思われます。
弁理士試験の短答式試験も年度により難化する傾向があります。このような傾向に対しては、「選択肢ごとに正誤を判定する」、つまり「正確な知識」が求められるわけですが、同じことが知的財産法学試験の「五肢複数選択式」にも当てはまります。
(画像はイメージです。)
このように書くと「知的財産法学試験が難しいのではないか?」との印象を与えがちですが、実際には複数選択式よりも正解しやすい「五肢択一式」も出題されます。したがって必要以上に不安になることはないでしょう。
要は「知識の正確なマスター」が大切であり、これは知的財産法学試験、知的財産管理技能士試験、そして弁理士試験でも同様です。