行政書士試験の学習で大切なことは、条文を正しく把握することです。しかし条文が複雑になると理解しにくくなります。
多くの受験生にとって理解しにくいのが、「又は・若しくは・及び・並びに」を使用し条文が複雑になったケースです。これは2010年の行政書士試験の基礎法学でも出題されています。
法律用語を正しく理解する、法律用語辞典の購入も
法律の世界では日常使う言葉と意味が異なるものが数多く存在しています。その代表的なものが意思表示、善意・悪意などです。
法学部出身の受験生の方ならば間違った意味で学習をすることはありませんが、はじめて法律にふれる行政書士受験生の方は注意が必要です。意味を正しく把握できずに学習を進めてしまい、その結果として「行政書士試験に不合格になる」、これだけは避けたいところです。
そこで役立つのが法律用語辞典です。受験生の多く使われているのが自由国民社によるものと有斐閣によるものです。そして行政書士試験受験生の方におすすめなのが、前者の自由国民社による「図解による法律用語辞典」です。
その理由として初心者を意識した分かりやすい解説であること、そして図解が多くビジュアルで理解しやすい点にあります。したがって、自由国民社の法律用語辞典がベストの選択です。価格が安いのもうれしい点です。
もっとも大手スクールで発行している基本テキスト、例えばLEC東京リーガルマインド行政書士講座の「出る順行政書士 合格基本書」などでは、重要でありながら分かりにくい用語について脚注で説明がされていることがあります。
したがって法律用語辞典は学習初期の段階で必須という訳ではありません。試験対策の学習が進み、もっと細かい知識を学びたいと言った場面に出会った時に、購入を検討してみるのも良いかもしれません。
礒崎陽輔さんの「分かりやすい法律・条例の書き方」
条文の構造について理解するのにおすすめなのが、礒崎陽輔さんの「分かりやすい法律・条例の書き方」です。定義規定や読替規定など、通常の行政書士試験向けのテキストには載ってないことも多く、条文を正しく読むための一助となるでしょう。
【動画解説】弁護士・遠藤輝好先生が教える条文用語
専修大学エクステンションセンター講師で弁護士(東京虎の門法律事務所)の遠藤輝好先生による動画解説です。
試験対策においては条文学習が必須ですが、この動画では条文で出てくる用語として、基準点に関するもの(超える、未満、「以」など)、時間に関するもの(直ちに、速やかに、遅滞なく、当分の間)など扱っています。
受験生の中には「そんなの知ってるよ」という方もいるかもしれませんが、基礎法学は行政法や民法に比べ地味なため、復習がおろそかになりがちです。したがって忘却防止が目的です。また動画解説と併せて周辺知識・関連知識について基本テキストで確認しておきましょう。
【動画】「法律を読み解く講座シリーズその1(法律を読み解く技術)」
行政書士試験対策で条文・判例・学説はどこまで学習するか
法律資格の学習の場合、その内容は大きく分けて3つあります。条文知識・判例・学説です。行政書士試験の場合、出題範囲が広いので短期合格を目指すためには、この3つのどこまで学習するのか検討しておく必要があります。
もちろん難化する最近の行政書士試験の合格を目指すならば、できるだけ広く学習することが望ましいでしょう。しかし学習時間に制約のある社会人受験生の方も多いはず。そこで「どこまで」学習するか決めることは、短期間で本試験の合格を目指す上で、必須の検討課題となります。
「どこまで学習するか?」(画像はイメージです。)
さて各科目、具体的には民法・行政法・憲法・商法ですが、これらの科目はどこまで学習する必要があるのでしょうか?その答えは過去問が教えてくれます。過去の行政書士試験の出題を分析すれば、どこまでの知識があれば合格できるか?を知ることが可能です。
そこで過去問題集を利用して学習することが大切になってきます。もちろん市販の過去問題集で構いませんが、私が合格者の立場でおすすめするのが、LEC東京リーガルマインド行政書士講座の「出る順行政書士 ウォーク問過去問題集」です。
その理由として、過去問題の解答のみならず、詳細な解説、関連知識の説明もあるからです。これならば繰り返しの学習に十分耐えることができます。何度も繰り返すことで、過去の出題傾向の把握はもちろんのこと、難易度の把握も可能になります。これにより「どこまで学習すれば合格ラインが見えてくるのか」が分かると思います。